
筋トレしたら、タンパク質摂取!これ、常識ですよね。でも実際、どれくらいの量をとればいいんですか?

実は摂取するタンパク質の量にも「適量」というものが存在しているんですよ。詳しく解説していきますね。
「筋トレをしたらタンパク質をとる」
これは筋トレをしている人の共通認識だと思います。
ですが、こんなことを疑問に思ったことはありませんか?
『タンパク質ってどれくらい取ればいいの?』
この記事でそんな疑問を解決します。
・筋トレ効果を最大限に高める最適なタンパク質の摂取量
【筋トレ効果を最大限に高める】タンパク質の知識〜摂取量〜
タンパク質を取る理由
筋肉は筋タンパク質によって構成されており、その筋タンパク質は食事により摂取されたタンパク質(アミノ酸)の量に依存して合成されます。
この筋タンパク質の合成量が分解量を上回ることによって筋肉が増えます。
筋タンパク質の合成バランスについては以下の記事で解説していますので合わせてチェックしてみてください。
よって、タンパク質の摂取が重要なのですが、ただ摂取すればよいというわけではありません。
筋タンパク質の合成を促進させるためには、最適量を摂取する必要があります。
その最適量について解説していきたいと思います。
タンパク質の目安摂取量は20g?
筋タンパク質合成を促すために「タンパク質の目標摂取量は20g」という話をよく耳にしませんか?
これは万人共通の摂取量になるのでしょうか。
最適摂取量が20gと言われている理由と、その他考慮すべき点を後の章で解説していきます。
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最適なタンパク質摂取量は年齢・体重・トレーニング内容で決まる
最適なタンパク質の摂取量について
現代のスポーツ栄養学では以下のように考えられています。
「最適なタンパク質摂取量は年齢、体重、トレーニング内容によって異なる」
各項目についてみていきましょう。
年齢
Mooreらは平均年齢22歳の若年者から71歳の高齢者を対象とした、0g〜40gまでのタンパク質摂取による筋タンパク質の合成率を検証した研究”に基づき、加齢とともに体重あたりの必要なタンパク質量が増加することを報告しています。1)
(※1)より引用、編集)
体重あたりのタンパク質量に換算すると、若年者は0.24g/kg、高齢者は0.40g/kgが必要なタンパク質量であることがわかります。
高齢者ではより多くのタンパク質を必要とすることわかりますね。
この加齢によるタンパク質摂取量の増加については、筋タンパク質の合成抵抗性2)によるものと考えられています。
若年者では食事摂取後には血中アミノ酸濃度の増加やインスリン濃度の増加を生じ、それらにより筋タンパク質の同化反応(筋タンパク質の合成増加とわずかな分解減少)が起こるが、高齢者ではこの反応が若年者と比べて低下しており、サルコペニアを引き起こす原因として考えられています。3)
体重
では体重という視点からみると何がわかるでしょうか。
先ほどのグラフから若年者、高齢者の各体重毎で必要なタンパク質量を割り出すことができます。
この図が各体重毎の目安摂取量になります。
よく耳にする「タンパク質摂取の目安は20g」ですが、その通りおおよそ20g前後であることがわかります。
タンパク質は20gが目安と言われていた理由は以下の研究が参考になります。
Mooreらによる、トレーニング経験者の若年男性を対象として、トレーニング後にタンパク質を0g、5g、10g、20g、40gを摂取させ、筋タンパク質の合成率を調査した報告によると、タンパク質20gまでの摂取では、筋タンパク質の合成が有意に増加するものの、20gと40g有意な差が認められなかったようです。筋タンパク質の合成を促すためには最低20gのタンパク質の摂取が必要であり、それ以上の摂取による筋タンパク質の合成効果は少ないということが示唆されていました。4)
あくまで目安としては20gですが、厳密には年齢や体重によって適正量が異なると言えますね。

なるほど。体重と年齢は意識して置くことが重要ですね。
トレーニング内容
先ほど取り上げた研究はレッグプレスを対象としてタンパク質20gという摂取量が必要になります。4)
では、トレーニングの種類や強度によって必要量は異なるのでしょうか。
答えとしては「トレーニング内容を考慮に入れるべき」です。
Macnaughtonらによると単独のレジスタンストレーニングでは約20gのタンパク質摂取で十分ですが、全身性のレジスタンストレーニングでは40gまでタンパク質の摂取を増加させた方が筋タンパク質合成において効果的であると報告しています。5)
対象:ウエイトトレーニング歴ありの20代男性
内容:全身性レジスタンストレーニング(レッグカール、レッグプレス、レッグエクシテンション、チェストプレスなど複数種目)を実施し、トレーニング後にタンパク質20gと40gを摂取させるというもの
結果:20gより40gの方が高い筋タンパク質合成を認めた
つまり、一概に最適タンパク質摂取量は20gと言えず、トレーニング内容も考慮する必要があると言えます。
まとめ
タンパク質の最適摂取量は「年齢・体重・トレーニング内容」を考慮に入れる必要があることがわかりました。
実際に最適とされるタンパク質摂取量の設定方法は、年齢・体重のに基づいたベースのタンパク質摂取量を確保し、トレーニング内容に応じてタンパク質摂取量を増加させる方法です。
例えば、筋トレ大好き20代男性(体重60kg)である場合、通常の食事でタンパク質15〜20gを摂取すればいいことになります。加えて、ジムなどで複数種目のレジスタンストレーニングを行う場合、プラスして10〜20g摂取すれば適切量であると言えます。(自分もこの方式でタンパク質目安量を設定しています)
年齢・体重によるベース摂取量(〜20g)
+
トレーニング内容に応じた増加分(10g〜20g)
という認識でよいかと思います!
「年齢・体重・トレーニング内容」を考慮する。
年齢:加齢に伴い、必要なタンパク質量は増加
体重:重い程、必要なタンパク質量は増加
トレーニング内容:強度・種類によって最適量が変動
→実際には年齢・体重に基づいたベースとなるタンパク質摂取量を確保し、トレーニング内容に応じて摂取量を増加させる方法が最適
参考文献
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