
ダイエットをしようと思います!

ダイエットを始めるんですね!ダイエットの前提として、太るメカニズムを理解できていますか?ダイエットも戦略と知識が重要です。太るメカニズムをしっかり理解できていれば、効率的、効果的にダイエットができますよ!

なるほど、まずは敵を知れ、ということですね。
太るメカニズムといっても原因は多様です。
その原因を把握しておくことで効率よく、効果的にダイエットを行うことができます。
ダイエットだけでなく、普段の食事管理にも繋がる内容なので知っておいて損はない知識です。
何となく「糖質」=「太る」という認識があるのではないでしょうか。
今回は”糖質”による太るメカニズムに着目して解説していこうと思います。
・摂取した糖質の体内での流れ
・糖質で太る理由
【太るメカニズム】〜糖質編〜
取り入れた糖質の動き
取り入れた糖質は、グルコースやフルクトースなどの単糖類に分解されて小腸から吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓に運ばれた後、グルコースは大きく2つの動きをします。
①グリコーゲンに合成されて肝臓・筋に貯蔵
②血液中に放出されて各組織に運ばれエネルギーとして利用
①グリコーゲンに合成されて肝臓・筋に貯蔵
体型、体格、年齢、運動経験などの個人差により多少は異なりますが、基本的にグリコーゲンとして身体(肝臓・骨格筋)に蓄えられるのは約400〜500g程度と考えられています1)。

肝臓:約100g(400kcal)、骨格筋:約400g(1600kcal)程度だそうです。
取り入れる糖質がこの貯蔵量と身体が必要とするエネルギー量をオーバーしてしまうとグルコースが血液中に放出されます。
つまり、血液中のグルコース濃度が高くなります。
この血液中のグルコース濃度が「血糖値」です。
必要以上の糖質を摂取してしまうと、血糖値が高くなることがわかります。
②血液中に放出されて各組織に運ばれエネルギーとして利用
グルコースが血液中に放出されると当然、血糖値が高くなります。
身体の細胞は血液中のグルコースからエネルギーを得て活動します。
そのため、エネルギー不足にならないように血糖値は一定の範囲内で維持されています1)。(血糖値の恒常性を維持)
特に脳は血糖値がこの恒常性が重要になります。
その理由は血糖値消費量が高く、グルコース生成ができないからです。(絶食した人の血糖値の約60%は脳に消費されるそうです)

低血糖により、頭痛や意識混濁などの脳症状が出現するのはこのためです。
血糖値が低すぎるのは身体に悪影響を与えそうですね。
では、血糖値は高ければ高いほどよいのでしょうか。
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血糖値が高いとどうなるのか
身体の血糖値は一定に保たれていると前述しました。これは人間の身体の正常な反応です。
血糖値が高すぎると、一定の範囲内に血糖値を戻そうとする動きをします。(血糖値を下げる)
その際に活躍するのが「インスリン」です。
膵臓にあるβ細胞からインスリンが分泌されると、全身組織にグルコースを取り込むように作用2)します。
そして、多くのグルコースが肝臓や筋肉、脂肪組織に取り込まれます。
骨格筋は他の臓器に比べて、グルコースを多く貯蔵するができますが1)、急速に多量のグルコースを摂取すると、肝臓や筋肉でも処理ができなくなります。
こうなったときにインスリンは脂肪組織にグルコースを取り込ませます。
脂肪組織に取り込まれたグルコースはトリグリセリド、中性脂肪に合成されて脂肪滴として貯蔵されます。これにより脂肪組織が肥大します。(いわゆる’糖質’→’脂肪’として貯蔵状態)

インスリンはグルコースを脂肪細胞に取り込ませるとともに、脂肪の合成を促進させるホルモンなのです。
そして、習慣的に多量のグルコースを摂取していると、インスリンによるグルコースの取り組み能力が低下してしまいます。
これを「インスリン抵抗性」といいます。
↓↓↓
高血糖状態
↓↓↓
膵臓のβ細胞はさらインスリンを分泌
この状態を「高インスリン血症」といいます。
インスリン抵抗性がグルコースの取り込み能力が特に高い骨格筋に生じると、多くのグルコースが脂肪組織に取り込まれるようになりますね。脂肪組織肥大化し放題になるわけです。
↓↓↓
高血糖状態
↓↓↓
インスリン抵抗性
(グルコース取り込み能力の低下)
↓↓↓
高インスリン血症
(インスリンの過剰分泌)
↓↓↓
脂肪組織の肥大化
↓↓↓
太ってしまう!!!

必要以上の糖質を摂取するとまるでいいことがありませんね……..
現代は糖質無制限の飽食生活
糖質の過剰摂取が身体にとって非常によくないことがわかりましたね。
しかしながら、今の私たちの生活を振り返ってみると..
美味しいご飯にお菓子にデザート…高糖質食に溢れ、糖質無制限生活ができてしまう環境にありますね。
1日3回保証された食事、午後3時のおやつ、お風呂上がりのビールにおつまみ、その度にインスリンが分泌されます。
ほぼ一日中インスリンが出っ放しという場合さえ考えられます。
私たちは非常に太りやすい環境の中で生活をしている、そしてそれは無自覚のうちに行っているということを頭に入れておく必要があります。
当然、空腹時にケーキを1つ食べたからといって、即座に脂肪が合成されるわけではありません。
脂肪合成は、オーバーカロリー(総摂取カロリー>総消費カロリー)の状態の時に生じ、アンダーカロリー(総摂取カロリー<総消費カロリー)の時には生じないことも示唆されています。3)
また、食後すぐにケーキやお菓子を食べたり、食事中にジュースを飲むことはグルコースやフルクトースの過剰摂取につながるため控えることが推奨されています。4)
カロリーの調整を行い、食事のタイミングや内容を少しでも考えるだけで食生活はより豊かになっていくのではないでしょうか。

具体的にはどうすればいいでしょうか?食事管理は?糖質制限は?食事のタイミング、内容は?気になることがいっぱいです。

そうですよね。今日は前提知識をおさらいしました。派生の内容は今後どんどん記事にしていきますね。
まとめ
→グリコーゲンに合成されて肝臓・筋に貯蔵
→血液中に放出されて各組織に運ばれエネルギーとして利用
オーバーカロリー状態(糖質の過剰摂取)では..
→インスリン作用でグリコーゲンの体内貯蔵促進
→脂肪組織の肥大化
糖質(グルコース)は身体のエネルギー源で活動する上で欠かせない要素です。ですが、多く摂取すると脂肪合成を促進させてしまいます。
美味しくハイカロリーな食事でありふれた現代ですが、食事内容に関しては気を遣っていくべきですね。

自分の適正な糖質範囲を把握してカロリー調整を行いながら、食事を選んでいけるといいですね。
参考文献
2)膵β細胞における代謝ー分泌連関からみたヒトの糖代謝異常,相澤 徹,信州医誌53(2):63-72,2005
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